IBM Watson Summit 2016 Pt.2

続いて、ブレイクダウンセッションの中から特にリマーカブルだったものを 3つほど。
前半はコチラです。

Watson Explorer

Watson Explorer があるのは知っていましたが、今の API として提供されている Watson の前身、前バージョン程度の認識だったのですが、完全に別物でしたね。
今回のブレイクアウトセッションを聴いた感じだと、

テキストマイニング＋分析

という印象でした。
通常テキストマイニングした結果は、もちろん人間が分析しなければなりませんでしたが、それを高いレベルで Watson が代わりにやってくれる。
フリー版もあるとのことだったので百聞は一見に如かず、早速試してみたいと思います。

Watson Analytics

これ最近気になっていたんですよね。
ちょうどバージョン 11がリリースされたとのことでそのお披露目も兼ねて紹介されました。
Watson Explorer がテキストマイニング＋分析なら、Watson Analytics は文字通り、データマイニング＋アナリティクスですね。

実は、Watson Analytics のハンズオンプログラムもあったのですが、エントリー時には既に満席で申し込めなくて悔しい思いをしていました。
今日、当日キャンセルがあって空きがあればエントリー出来るとのことで、早速整理券を貰いました。ブレイクアウトセッションを聴講して、これはもう是非ハンズオンのセミナーも受けたいな、と。

果たして、夕方最後の枠で祈るような気持ちで当日キャンセル待ちエントリーの列に並んだのですが、無事参加できました。
(・∀・)!!
良かった〜
実際内容も素晴らしく、具体的な考え方や操作方法のレクチャーを受けられて、非常に得たものが大きかったです。
来た甲斐があった♬

三菱東京 UFJ 銀行「あかぎさん＆しろまる」

Watson の実用化への取り組みは金融系が積極的に進めている印象です。他にもみずほ銀行や三井住友銀行も Watson 活用のプレスリリースを出していますし、今回かんぽ生命の基調講演へのゲスト参加やブレイクダウンセッションもありました。

ただ、現時点での実用化という意味ではどこもまだ大きな成果は上げられていません。
そんな中、いち早く UX を提供してきているのが三菱東京ＵＦＪ銀行ですね。
何故かどこもこういうキャラクター、ペルソナを立ててくるのですが、三菱東京ＵＦＪ銀行ではあかぎさんとしろまるが質問に答えてくれます。

それぞれ質問と回答の時刻に注目して欲しいのですが、どちらも瞬時に回答されています。
これはりんなとか他の AI もそうなのですが、どれも瞬時に回答が来ます。かかってもせいぜい 2秒。

さて、内容はどうでしょうか？
「正答率が 9割を超えたので投入に踏み切った」とのことでしたがちょっと厳しいですね、、
ご覧の通り質問はシンプルで簡単です。人間のコミュニケーターならサクっと答えられるでしょう。
あと、特徴としては、

ドンピシャリの回答はせず、あくまでも FAQ の URL へ誘導
逃げ道として「上記以外の回答はこちら」を用意

とはいえ先陣を切ってローンチさせている心意気は素晴らしく、今後のベンチマークになると思います。

ちなみに他のサービスですと、、
残念なのが関西電力のはぴ e みる電
（何故かどこもクマのペルソナが多いｗ）

何訊いても「ごめんなさい」でちゃんと回答されたことがありません、、、
（´・ω・`）

あと、マイクロソフトのりんな
女子高生というペルソナで僕も Twitter で試したことがあるのですが、ウマくハマるとちゃんと会話が成立するのですが、全然噛み合わないことも少なくありません。

という訳で、

三菱東京ＵＦＪ銀行あかぎさん＆しろまる　40点
マイクロソフトりんな　25点
関西電力はぴ e みる電　0点

という印象です。
試す前に暴走して閉じられてしまった本家 Microsoft の Tay は「ヒトラーは正しかった。ユダヤ人嫌い」とか「9.11はブッシュがやった」とか言い出して、賢いのはバカなのか、、
言われているような近い未来にはシンギュラリティはなさそうですが、もう少し先ならあり得るんじゃないかと空恐ろしくなります。

さて、盛況だった Watson Summit 2016、なんと 1万人が来場したそうです。そりゃ混むわ、、
来年 2017年には具体的に実用化されたサービスの紹介が増えていたらクールですね。